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漫画「日々ロック」書評

「日々ロック」があまりにも素晴らしかったので感想を。
日々ロック 1 (ヤングジャンプコミックス)日々ロック 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2010/10/19)
榎屋 克優

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ヤンジャンの漫画を読み漁るのをしばらく怠っていたら、こんな力のある新人が出てきていました。
実にすばらしい。
ざっくりストーリーを要約してみます。

友達もいなけりゃ彼女もいない、勉強もできなけりゃ運動もできない、いじめられっこの高校生日々沼拓郎。ろくでもない生活を送っている彼ではあるけれど、ギターをかき鳴らしてステージに立っているときだけは、自分の存在を感じられた。
彼の名は日々沼拓郎。5年後にロックスターになる男である。

ストーリーだけをみれば定番のロックバンドものです。
でも定番でありながらこのテーマは世の物語の中でももっとも熱量をもっているモチーフの一つであるのは間違いないでしょう。
どうしようもないほどに鬱屈した少年から生み出される爆発力っていうのは僕の大好きなモチーフです。

この「日々ロック」の面白いところは「各巻の構造がどれも同じ」であること。
普通の漫画ならば、1巻の後に2巻があって…という流れを前提として、盛り上がる巻もあれば、穏やかな巻もあるでしょう。
しかし「日々ロック」は、コミックス一冊分の集中連載という形をとっており、なんとすべての巻が同じ構成!
1巻も2巻も3巻も常に同じ
「うまくいかなかったり、対立したり、馬鹿にされたり、しいたげられたり、いろんなことがあってフラストレーションがたまっていく。そのフラストレーションをロックにぶつけて、伝説のライブをやる」
という形ですべての単行本が進んでいきます。
もちろん一話一話の中で主人公にとっていいことが起きたり、人間として、ロッカーとして成長するというような描写があるのですけれども、基本的には序盤~中盤はフラストレーションがたまっていきます。
そしてそんな行き場のない思いが、ロックに狂熱を与えるわけです。

最終話では必ずライブが行われますが、そのライブが圧巻なのです。
まるで実際にそのライブの現場にいるかのような感覚に駆られます。
それを支えているのは作者の画力と、表現力。
魂をロックにぶつける少年たちの表情や、観客の熱狂をこの上なく鮮烈な筆致で描き上げています。
作中のオリジナルソングは歌詞までしっかりとオリジナルで作られているのですが、この歌詞の文字と魂の絵が渾然一体となっていて実にすばらしい。
漫画でしかできない表現をフルに活用していると感じました。いやはや漫画っていう表現方法はつくづく奥が深いものです。
このカタルシスをぜひ皆さんに読んで味わっていただきたいものです。

最後に名言を一つ。

「日々ロック」より 日々沼拓郎

いや、君が悔しがっている姿で思い出したんだ。
僕らバンドでCD出したり、友達が増えたりで忘れちゃってたけど、もともと嫌われ者で人間扱いされないバンドでさ…
だから君と同じでライブだけは絶対にやりたかった。

呼吸できるのは舞台ステージだけだったから。


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プロフィール

ken-hori

Author:ken-hori
現在慶應義塾大学3年生。理系。情報系。
ニュースから趣味のことまで、あらゆることについて考えて自分なりに結論を出します。
漫画と南国とお酒が大好きです。
今のマイブームはプロジェクトXを見ること。

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